病院の待ち時間なんとかならないの?

 病院の待ち時間については、昔から議論されていて解消されない日本の問題の一つだ。先日花粉症の薬を処方してもらう為にかかりつけの病院に立ち寄ったが、結局診察を受けられないまま仕事に行く羽目になった。この問題を解決するには実に様々な法律の規制をかわさなければいけなかったり、既存のシステムを膨大なコストをかけて変えなければ行けなかったり、急患や通常の患者の診察の順番を巡って道義的な問題が発生するのはわかる。が結局のところこうした不満には上記に挙げた変革の妨げになる様々な要因を持出してはできない理由を語って議論を避けているように感じる。なかなか旧態依然とした保守的な業界を改革するのは苦難を強いられると思うが、医療機関にかかる者として少しアイディアを絞ってみた。

従来のカテゴライズを疑う

 耳鼻科、内科、整形外科、皮膚科、産婦人科、心療内科などのカテゴライズの仕方は、今も昔も変わらない。様々な新種の病気や生活習慣病が多様化している中で、このカテゴライズでは診察するべき病気の幅が多すぎる。小さな町医院でも、中堅クラスの病院でも対処できない病気は紹介状を書いて大学病院に投げるのだから、診察するべき病気をもっと絞って患者をターゲティングするのはダメなのかと思った。内科では診察するべき病気の幅が広すぎるので、例えば極端に言えば風邪食中毒による胃腸炎専門とか、インフルエンザ、風邪による肺炎専門にすればいいと思う。診察してからでなければ病名は特定できないというが、だいた患者は自分の体調からどのような病気にかかっているのかだいたい予想がついている。皆さんは症状が重いと感じれば自分で救急車呼ぶか町医者の選択肢は外でしょう?

時間帯によって患者の優先順位を変える

 患者は働いている人も入れば、専業主婦もいるし、年金暮らしの人もいる。患者は一様に同じではない。それぞれの人の状況をかんがみて優先順位をかえてサービスを向上させる必要があるのではないだろうか。朝仕事が始まる前に急いで診察してもらおうと待っているサラリーマンと、朝見てもらうと楽だからと日中比較的自由に時間が使える年金暮らしの高齢者が同じ空間で待ち時間を共有している事に非常に違和感を覚える。これは話はずれるが、銀行のATMの前でお金を下ろすだけの人と、預け入れや複数の払い込みなど手間のかかる取引をしようとしている人間が同じ列に来たもの順で並んでいるもどかしさに似ている。急いでいる人間がこうした理由で診察を見送らなければならないのはとても不公平感がある。例えば病院の予約でも早朝9時から11時まではサラリーマン限定ないし優先して診察を行う自営業の病院が合っても良いと思う。

まとめ

従来のカテゴライズを疑って極めてニッチで狭い病気を診察する医院を開けば当然、患者が予想していた病気とは全く見当違いの症状が診察される場合がある。医者が知識を持ってしっかりと診察できればいいが、自分の能力の限界や医療設備の不足から患者の治療が手に余る場合は紹介状を患者を指定の病院に送るが、送った先の病院で再度待っていたのでは話にならない。迅速に診察が受けられるようにリアルタイムで待ち時間が比較的少ない病院を指定できるようなアプリケーションがあったら便利だと思う。そのために病院同士のネットワークや連携を強固なものにしていく必要がある。