平塚の駐輪規制 駅前まで自転車で行けない


 私の本籍は東京にあるが、実家は神奈川県の平塚市にあって、色々と立ち寄る機会が多い。最初平塚を訪れた時は駅を外れると南側には海が広がり、北東西にはだだっ広い田んぼと住宅街の組み合わせが延々と続くただの田舎かと思っていたが、来るたびに散策してあちこち歩き回っていると以外と自然が多く、穏やかで落ち着いている様々な公園やスポットは完全に私を魅了している。電車に乗って東京駅から一時間弱。東京に隣接する神奈川は日本の首都圏の一つ。東京の喧噪がそのまま聞こえてきそうなほど忙しい町並みが想像できるが、ここ平塚はそういった喧噪とは一線を画した穏やかな風景が広がる関東で唯一仕事の疲れをいやせる穴場スポットの一つだ。実は両親の用事は口実でたまに有給もらってリフレッシュに来たりしている。そんな私が大好きな街平塚に少し頭を痛めている問題があるのでここで愚痴らせてもらう。


北口商店街の一時駐輪の問題


 私の両親がまだ平塚に越してない頃、10年ほど前に違法駐輪、放置自転車、自転車運転禁止エリアでの自転車の運転等のマナーの悪さがテレビのワイドショーや夕方のニュースで取り上げられたことがあって、それ以来平塚は自転車のマナーの悪さは全国的に認知される事となったそう。それから市が自転車の問題に積極的に取り組むようになってから平塚駅北口の周辺に公営の駐輪場が設置されるようになった。平塚市の市議会、市長選でも環境に配慮した町づくりという公約を掲げて自転車駐輪に関する取締を強化を約束し、市長が交代してもこの政策は引き継がれて駅周辺のみならず人口が密集する様々な場所で規制を強化している模様。確かに10年前の駅前の様子と今の駅前の様子を比較してみると見違えるほどきれいになり、長時間駐輪している自転車はほとんどないし市がこの問題に関して力を注いでいる結果が伺える。


規制を強化し過ぎです


 私は街はもちろん綺麗な方が住み良いし、街全体としてのイメージは確かに上がる。しかし、以前と比べると利便性の面から言及させてもらうと、とても自転車で気軽に駅前に行ける状態ではなくなった。駅前には商業ビルが立ち並び多くの人でにぎわっているが、公営の駐輪場は以外と離れたところに設置されており、なかなか思いついた時にパッと買い物するのが難しくなっている。時間帯によっては一時利用の駐輪場が満車になるので、自転車できてる人は更に離れた駐輪場に止めるか、しかたなく路駐するしかない状態。パールロード商店街の道路の両脇に設置されている無料の一時駐輪スペースは2時間の限定つきで駐輪可能だが、なぜかその駐車スペースが日を追うごとに限られてきており、お昼の買い物時はいつも満車で駐輪できない。どうやら行政はパールロードでの駐輪を嫌がっており今後も規制が進む可能性がある。また市長が交代するごとに駐輪監視員の数が日増しに増え続け駅周辺のみならずあらゆるところで目を光らせているので容易に歩道上の脇に駐輪できない。市役所の見解としては自転車のマナーを守って綺麗な町づくりをとのことだが、この規制の縛りが意味するところは駅前での自転車使用の制限だ。


客足が減る商店街?


 パールロードを含めた駅前のほとんどのエリアは自転車をおりて押して歩かなければならないため、自転車で来るのは億劫になってしまう。このルールに関しては私は賛成だが、自転車のマナー監視員まで駅周辺につけているとなるとそれが正しい規制であっても自転車を使いたくなくなる。自転車を使わなくなる傾向が強くなり、実際に統計を知っているわけではないが、商店街では数年前に比べて客足が減ったとまことしやかに噂されているみたいだ。街の体裁を整える事は市の重要な仕事の一つであることは違いないが、違法駐輪を除いて駅前に一時的に駐輪をする事が実際に多くの人の迷惑になっていたのかは疑問が残るところである。


違法自転車の制裁が厳しい


 違法駐輪の一般的な制裁措置として違法駐輪自転車は放置自転車保管所へ強制移送される。自転車の所有者は保管所にわざわざ出向き制裁金を支払ってやっと解放される。平塚の放置自転車の保管所は駅から7kmも離れており簡単にはとりにいけない。私もパールロードに自転車をとめ持っていかれた経験がある。駅前で買い物を済ませた後自転車の事をうっかり忘れて徒歩で実家に帰宅してしまったのだ。気づいた頃にはとめた場所に自転車がなかった。以前は日付が変わった翌日の朝に長時間駐輪している違法自転車を保管所に移送していたが、最近はどうやらその日のうちに持っていってしまうのだから参った。結局両親に頼み込んでとってきてもらったが、忙しいサラリーマンだったらまずそんなリスクは犯したくないだろう。この日をきっかけに平塚の実家に顔を見せる時は自転車で駅へは行かないようになった。


まとめ


放置自転車の問題は主要都市のどの駅でも取り沙汰されている其の街が抱える悩ませる問題の種の一つだ。だから行政は本腰を入れて取り組む必要があるのは分かる。が利便性を欠いては街の活性化にはつながらないし、規制で何でも押さえ込む方法ではいずれ市民の反発がおこるだろう。行政は人に与えることのメリットを知らなさすぎる。人にどういうメリットをあたえて自発的に問題となっている事案に対して協力的になるかをもっとよく考えなければならない。そうすれば余分な税金を駅前でうろうろするきなくさい駐車監視員に与えずに済むだろう? まずは駐車監視員が違反している人に目を向けて厳しく注意するのではなくて、ルールを守っているひとに感謝するところからはじめてみてはどうだろうか? これも与えることの一つだ。そうしてもらえれば私も進んでマナーを守りたいと思うがどうだろう?