中国、賄賂売春の実態

 中国で発覚する汚職やスキャンダルは相変わらずえげつないものが多い。ここ最近では中国ではビジネス上の便宜をはかってもらう目的で、企業が高官や役人に少女に接待売春をさせることが明るみになりはじめ、役人に対する世間の反感が大きくなっている。習近平体制になってからは"トラもハエも叩く"というスローガンの下贈収賄に加担した共産党幹部や役人、軍幹部を腐敗の撲滅を旗印にことごとく摘発し、様々な収賄事件が明るみに出る結果となった。そんな中、10代の少女を賄賂として差し出す事件が多数発覚し、中国世論をわかせている。

収賄売春の手口

賄賂を差し出す企業と、少女を結びつけるのは女性仲介者だ。言葉巧みにカラオケ店にホテルに連れ込み、飲酒をさせ酩酊状態にさせた末に行為に及ぶ。悪質なケースではドラッグを使った例もある。2013年6月20日には中国・海南省万寧市の小学校の校長が役人と結託して女子児童6人をホテルに連れ込んだ上、薬物を使用して性行為に及んだ。また口外を禁じて性行為を強要する為にあらかじめ少女の裸の写真を撮る例もある。

被害者家族は泣き寝入り

 少女達の取り巻く環境にいる大人がこうした売春に関与するだけでなく、学校内の同級生が斡旋し多額の手数料を口座に振り込まれる事件もある。少女には段階的に値がつけられ、様々な便宜の見返りに、利益の折半と少女の受け渡しが行われる。また少女の親が告訴に踏み切っても、たいがい当局が隠蔽するか、もしくは告訴した親が逮捕されるので実質泣き寝入りになる。

悪しき格言

 こうした一連の賄賂売春で中国の悪しき格言が少女の被害を拡大させている。それは「処女と性交すると長生きする」という格言。とりわけ財を成した人間の道楽として秘密裏に売春が行われており、やはり高い値が付けられる。

まとめ

 習近平体制になって,汚職官僚の一掃に力を入れるようになってから見えてきた様々な贈収賄事件。えげつないほど欲望が渦巻くこの中国の政財界は少しずつだが変化の兆しを見せているのではないだろうか。こうした長年中国に染み付いてきた悪しき汚職という慣習を問答無用にお縄にかけるやりかたは賛否両論あり、習近平は国民に多大な支持を受ける一方で、摘発された官僚や役人の関係者や家族などからの報復を懸念する声もある。ただこの改革は現在進行形で続けていかなければ、兼題の子供の思想に影響を及ぼすだろう。あるテレビの取材を受ける少女は自分の夢をこう語った「大きくなったら公務員になりたい」と答えた。「どんな公務員になりたいの?」と聞かれると「汚職する公務員よ。だってものをいっぱい持ってるんだもん」と正直に答えたという。こういった流れを断ち切るには大規模な改革を継続的に行う必要がある。