ブルーオーシャン戦略

ブルーオーシャンと聞くと何を創造するだろうか?全く競合がいない市場や産業といった見方や、実際に極少数のニーズはあるがまだ多くの人に気づかれていない市場とか、競合や競争の原理とは無縁の一線を画する競合不在の夢のような市場と思われている方が多いと思うが、少なくともブルーオーシャン戦略を提唱したW・チャン・キムとレネ・モボルニュはレッドオーシャンでの勝ち残る術は知っておくべきだと言っている。つまり競合が不在である期間は限られており競合がひしめき合う市場での戦い方を知らなければ勝ち抜く事はできないということだろう。 ではブルーオーシャンとはいったい何なのかというとウィキペディアでは次のように著者の言葉を引用している。"競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説く。"としている。ここで重要なのが切り開くという言葉。要するにブルーオーシャンとは存在しない市場につけた仮の名前でその市場自体は自らの力で切り開かなければならないという事。例えば、他社との圧倒的な差別化や、真似できない独自性を貫いて極めて専門性の高いニッチな分野で独自の市場を創出して利益をあげるということがブルーオーシャン戦略の骨子で  新たに市場を切り開く為には徹底的な差別化によって顧客に価値を生み出し、同時に低コストを実現するという事が必要であり、これが本の中ではバリューイノベーションと言われている。通常商品のコストを下げようとするとコモディティ化し価値は平均値に近づき価格競争に陥る、また商品の差別化を促進しようとするとコストがかかるため価値と価格は一般的にはトレードオフの関係だと考えられているが、ブルーオーシャン戦略ではバリューイノベーションは一貫して価値を挙げてコストを下げる事が重要だと主張している。  また創り上げた市場には次々に競合が参入し、激しい競争に巻き込まれるため、勝ち残る術を備える必要がある。重要な事はレッドオーシャン化する前に新たな市場をまた創り上げて価値を創造する事だ。  ブルーオーシャン戦略とはたんに競合がいないどこかに存在する市場ではなく、存在しない市場を自ら創造して価値を与え続ける事にある