お笑いはコミュニケーションの花だ。


 こんにちは大井です。笑いはやっぱり気持ちを和ませてくれます。合コンやコンパ、パーティーでも気の利いたツッコミや的確なタイミングで打つボケなどはどこかよそよそしく緊張している雰囲気を一気にわかせてくれます。

ただ私の貧相なユーモアセンスは、友人の冷笑や失笑を買い、ただでさえ緊張している雰囲気をさらに極寒の地へといざなってしまいます。

多少はコミュニケーションの足しになるかと始めたお笑いの鑑賞。色々勉強させられる事が多いです。さて最近私がコミュニケーションの参考にしているドランクドラゴンのコントを色々分析して行きたいと思います。
 

ドランクドラゴン

ドランクドラゴンと言えば、2000年初頭から数年間一世を風靡したお笑いコンビで、芸風はコントを得意としています。

彼らが演じる様々なシチュエーションは我々の身近に実際に起こる事を題材にしていて、とても共感を覚えると共に笑いをとる切り口が巧妙で、その予期しない展開が良い意味で期待感を裏切ってくれて引き込まれます。

また塚地さんと鈴木さんの不安定感がとても絶妙でその存在感だけで少しにやけ顔になってしまいます。

演劇団員上がりのお笑い芸人という感じの塚地さんと日常生活ではボケを連発していそうな天然の鈴木さんは、その役回りは本来逆なのでは?としばしば思うほどの不安定さが抜群に笑いを誘います。

さて最近はバラエティ番組のパーソナリティーやドラマの俳優などお二人の活動はお笑いから少々遠ざかっておりテレビでコントを見る機会は非常に少なくなりましたが、
youtubeではたびたび当時のコントの一部がアップロードされているので人気は未だ健在なのだと思います。

塚地の演技力

 
 塚地さんの演技は特にその人物になりきるだけではなくて、しっかりと演じて観客にみせるという他の芸人には持ち合わせていない演技力があると感じます。

他のコント芸人アンタッチャブルやサンドイッチマンなどは自分の持ち味を生かして完全に役を演じているという部分では同じですが、彼らは相方とのやりとりに集中してコントの内容を主役にしているのに対して、
ドランクドラゴンの特に塚地さんはとにかく演じるその役柄を観客にアピールしてその役に注目が集まるようにうまく観客の反応を引き出しています。

私は演技の経験はありませんが、youtubeにアマチュア劇団が有志で投稿している動画などを見比べてみると、
基本的な表情の作り方や、間の取り方、演技を通しての観客とのコミュニケーションの取り方など以前にそういったバックボーンがあったのではと思わせるほど遜色なく、完成度が高いです。

鈴木拓のボケの入ったツッコミ


 鈴木さんは本当はボケじゃないのかと思うほど、ツッコミの歯切れが悪い。

それが面白いんですが、調べたところによると元々塚持さんがつくった台本に書いてあるツッコミを覚えてシナリオ通りに役を演じているようです。

一見的確なタイミングで塚地さんのボケに突っ込んでいるように見えるんですが、彼の表情からはいったいなぜこのボケにこのツッコミが必要なのかというネタの根本にかかわる疑問を脳内で漠然と抱えていて、ツッコミをする理由を深く理解せずにフワフワしている感じが見て取れます。

要するにツッコミなのにそのツッコミを本人があまり理解していないばかりにボケの要素が混じってしまっているというおかしなことになっていると私は感じています。

それが観客の期待感を良い意味で裏切ってくれて本来塚持さんのボケで笑う場面で、鈴木さんのツッコミで観客が沸くといった珍しい場面も見れます。これはあくまでも私の感想ですが、そのボケの要素が入ったツッコミを塚持さんの演技がさらにツッコンでいるというレベルの高いコントのような気がします。

ボケ、ツッコミの基本


 お二人のキャラクターや持ち味は非常に独特である意味で他の芸人を圧倒する存在感を持っていますが、コントの基本はどの芸人も同じで、そういった土台をおろそかにしないという事に関しては余念がないというかプロとしてしっかりポイントを押さえていると思います。

   ドランドラゴンにかかわらず、他の芸人のコントや漫才を見てボケやツッコミに関して共通点を探って簡単に分析しました。
 
 ボケは真剣に空気を読まずに相方をもてあそんでいるといった印象を受けました。積極的に場違いな回答をして相手の感情を揺さぶるのがボケをする人の役目みたいです。特徴として挙げられるのが  
  • 相方の質問にたいする期待はずれ(相方が期待している回答ではない)な珍回答, 頓珍漢な回答。
  • 言葉の取り違え、聞き違えをして話の方向性をずらす。
  • 盛大な勘違いを正当化する、相方のせいにする。
  • 話の流れ、雰囲気からは予想できない場違いな行動、言動
  • 故意に相方が期待している回答とは違う回答を答えて翻弄し、相方を少し怒らせる。
   
 ボケに対して突っ込みは割と常識的な振る舞いや言動をとり、ボケの茶化しやKY行動に翻弄され感情的になりながらもしっかりとそのボケをフォローし訂正する真面目なお人好しといった役割の印象を受けます。

  • ボケの訂正には常に本気。からかわれても本気になって回答する
  • 途中ボケの無茶ぶりで話題が変われば、感情も仕切り直し(怒って突っ込んでいても、話題が変われば普通のテンションに戻る。)
  • 相方(ボケ担当)の感情、表情、態度をつぶさに察知してツッコミを入れる。
  • 相方(ボケ担当)が意図している事を的確に代弁する
  • ボケを真に受けて極端に驚く
  •  

 これが私が特に目についた様々なお笑い芸人に共通するボケとツッコミの特徴です。

いかに常識と非常識のコントラストを明確にして、距離感とタイミング、演じる役柄を意識していくかが観客を沸かすポイントでしょうか。

多くのお笑いコンビは、馬鹿にされていることを気づかないほど真面目につっこんで行く天然なお人好しと(ツッコミ)、自分が相手をからかっているということを認識できないほど純粋な天然ボケ(ボケ)を演じていると私は感じています。  
 

まとめ


 今日は参考にしているドランクドラゴンの分析と、基本的なボケとツッコミの特徴について私なりの考察を綴ってきましたが、
一般人がこうしたノウハウを応用するのはなかなかハードルが高いです。

なぜかというと心理的なブレーキがどうしてもかかってしまうからです。やはり「照れ」というのはことお笑いに関しては最大の敵です。失笑を買わずにお笑いでコミュニケーションに花を添えようと思うのであれば、自分の殻を打ち破って演じないとダメです。

だから人前で恥をかく事がお笑いを学ぶ第一歩かも知れません。私も時間があれば練習して動画をだしていこうか考えています。