カンボジアでは日本の廃品は売れますよ


粗大ゴミとして出されている白もの家電や、修理すると本体の値段より高ついてしまうため業者に引き取ってもらったパソコン、今や電気店で目にする機会すらないブラウン管のテレビ、修理すればまだ使えそうな自転車。これらはカンボジアで丁寧に修理されて庶民の間で重宝されているのはご存知でしょうか?

特に日本のブランドや日本で出回っていた外国製品の中古品や修理品は非常に人気が高く、その需要の高さから庶民でも中産階級に満たない世帯はなかなか手が出せない値段で取引されています。

特にメイドインジャパンは中古であっても物によっては新品の韓国製品、中国製品と同じ価格かそれ以上で取引されている事が多いのです。その日本製品の人気ぶりを裏付けるのが、現地のマーケットやショッピングモールで売られている日本のコピー商品の数々です。

去年、カンボジアの首都プノンペンにオープンしたイオンモールでは、近隣諸国の販売代理店やメーカーが寡占して一部では日本のコピー商品をブランド名まで似せて売りさばいていました。panasonic→pamasonicのように。

カンボジアでは、クメールルージュから続く内戦の影響で、戦後経済的に息を吹き返したタイとは対照的に、国内ブランド生成の目処が立たずまた外国資本の導入の遅れや、海外メーカの 進出が消極的で新品の市場はまだ開拓の余地があると感じています。

新品製品のほとんどはタイやマレーシア、中国といった近隣諸国の輸入品でカンボジアの平均的な世帯収入ではなかなか手が届かない物が多いです。そんな中、韓国や中国の新製品と同等の価値として扱われる日本の中古品は多少無理をしても購入する人が多いです。

なぜかというと、長期的に修理しながら使えるという利点がある為です。日本の中古品の品質基準はアジア一帯で郡をぬいているらしく、だいたい保障期間前に壊れてしまう中国製品と違って、品質保証期間が過ぎていても最低10年は治しながら使える為、費用対効果の面からいって粗悪品が多い輸入品の新品よりも十分投資の見返りはあるといいます。

そのため、修理工の需要が非常に高いです。手先が器用なカンボジア人は何でもかんでも治してしまいます。テレビ、パソコン、洗濯機から電子レンジまで家庭用電化製品のほとんどを治してしまうので、並行輸入で購入してメーカー保障がなくても心配いらないのかと思うくらいです。これも海外メーカーの進出が消極的な理由の一つでしょうか。

中古品や廃品の市場において日本の製品の需要はものすごく高いです。中古品や廃品を供給するルートを持っていないとなかなかビジネスを継続するのは難しいですが、日本人がゴミと思っている物は向こうでは速攻で買い手が着く可能性が高いということだけ言っておきます。