働く事について

縄文時代人間は物々交換を通じて互いに必要なものを補いました。  やがて弥生時代に入ると大陸の文化が日本に浸透し始め  水田耕作、鉄の生成などあらゆる技術が伝えられました。

 その中で四季を通じて最も安定して生産でき生活に欠かせない 主食となる、穀物や作物といったものがお金の代用として、 物々交換の価値の基軸になりました。衣食住に関するあらゆるもの が、穀物を介し流通するようになり分業のシステムが構築されます。

その後正式にお金が流通するのは 飛鳥時代の後半683年。その年に発行された富本銭が日本で 最古の通貨であり、資本主義の要素がだんだん浸透してくる 頃でもあります。現存する世界最長寿の企業金剛組(建築)や 山梨県の西山温泉慶雲館を見れば、飛鳥時代前期から中期にかけて、 モノの売り買いから旅館などのサービス業、仏閣建築などどれも朝廷主導の 公共事業ですが、商売の範囲が多角化し始め、衣食住という根本的な 生活に必要な商取引から、人々の生活をより豊かにするサービスや 建築技術などが事業を通して発達していきました。

その後、鎌倉幕府や朝廷が治める厳しい治世のなかでも、運送、倉庫、委託販売業 を主軸とした問丸が姿を現し荘園の管理を行ういわゆる年貢の代行運送業者が出現し 室町時代に入ると問丸が一般人にも利用できる問屋としてそのサービスは裾野を広げて 行きました。

商売の歴史を紐解くと、お互いの生業から得られた収穫を交換し合い、お互いの生活を 支える仕組みが出来上がり、さらにお金が流通し始める頃になると、 運送、飲食、建築、旅館といった人々の生活をより快活にするための仕組みが出来上がってきます。

何を言いたいかといいますと、古来から人は、生活を支え歴史と共にその生活をより豊かにすることに よってその使命を果たしてきたということです。 シンプルに言えば、人は人のために働いてきたということです。 だから、自らの人生をよりよく生きるということは 人の生活をよりよくする工夫を常に考えて仕事に反映しなければ ならないということです。 その務めが何であれ、我々の使命は例外なく、人を幸せにすることかもしれません。